TOPへ

耳鳴り

耳鳴り

耳鳴りに悩む人のイメージ(キーン・ジー・ゴーなどの音)

耳鳴り(じめい)とは、周囲に音源がないにもかかわらず、「キーン」「ジー」「ゴー」などの音が耳の中や頭の中で聞こえる現象です。日本では年間数百万人が耳鳴りを経験するとされ、軽度のものは放置されることも多いですが、慢性的な耳鳴りは日常生活や睡眠、集中力に大きく影響することがあります。

耳鳴りの感じ方は人それぞれ

耳鳴りは「音がする」という点では共通していますが、その音の種類や強さ、発生するタイミングは人によって異なります。

  • 軽度の耳鳴り:静かな部屋でのみ「キーン」とかすかに聞こえる
  • 中等度の耳鳴り:会話中や外出中でも気になり、集中力が落ちる
  • 重度の耳鳴り:常に強い音が聞こえ、眠れない、仕事に支障が出る

耳鳴りは多くの場合、鼓膜より奥の内耳・聴神経・脳で起きていると考えられています。また、難聴を伴うケースが多いことも特徴です。

耳鳴りの種類

耳鳴りは原因と聞こえ方の特徴から、大きく2つに分類されます。

自覚的耳鳴り

本人だけに聞こえる耳鳴り

  • 内耳や聴神経、脳の異常が原因
  • 耳鳴り全体の大多数を占める
  • 検査:問診、聴力検査、耳鳴り専用検査、MRIなどを組み合わせて総合的に診断

他覚的耳鳴り

医師や他人も聴診器で確認できる耳鳴り

  • 耳周囲の筋肉のけいれん、血管の異常など体内の音源が原因
  • 音が断続的だったり、脈と同じリズムで聞こえることがある
  • 原因を特定しやすいため、適切な治療で改善することも多い

耳鳴りの原因とメカニズム

耳鳴りの原因を示すイメージ(ストレスや血流、内耳の働きなど)

耳鳴りは一つの病気ではなく、複数の要因が重なって発生する症状です。耳そのものの異常だけでなく、ストレス、血流、神経の働き、さらには脳や全身の健康状態が関与することがあります。以下では、耳鳴りを引き起こす代表的な原因を解説します。

ストレス・疲労・自律神経の乱れ

  • 強いストレスや睡眠不足が続くと、自律神経が乱れ、内耳の血流が悪化します。
  • 内耳の有毛細胞が一時的に機能低下し、脳が「音が足りない」と錯覚して耳鳴りを感じることがあります。
  • 肩こりや首の緊張があると、耳周辺の血流も悪化し、耳鳴りが悪化しやすくなります。

加齢(老人性難聴)

  • 年齢とともに音を感知する内耳の有毛細胞が減少し、加齢性難聴が進行します。
  • 聞こえが悪くなることで脳への音刺激が減り、耳鳴りが現れるケースが多いです。
  • 補聴器を適切に使用することで耳鳴りの感じ方が軽減することもあります。

耳の病気

耳鳴りは耳の病気のサインであることもあります。

  • 外耳炎・中耳炎などの感染症
  • 内耳がむくむメニエール病
  • 耳と鼻をつなぐ耳管が閉塞する耳管狭窄症
  • 耳垢栓塞(耳あかが詰まること)

これらは耳鼻咽喉科の診察で診断可能で、適切な治療により耳鳴りも改善する可能性があります。

騒音・大音量によるダメージ

  • コンサート、クラブ、工事現場、大音量のイヤホンなどで長時間音にさらされると、内耳が「音響外傷」を起こすことがあります。
  • 一時的に聞こえが悪くなる(音がこもる)現象が起きることもあり、繰り返すと慢性的な耳鳴りや騒音性難聴につながります。

耳鳴りの症状から考えられる疾患

耳鳴りの音は人によってさまざまですが、音の高さや聞こえ方によって、原因となる病気のおおよその見当をつけることができます。以下では、耳鳴りの音や発生パターン別に考えられる代表的な疾患をご紹介します。

高音の耳鳴り(「キーン」「ピー」など)

金属音や電子音のような高い音が響くタイプの耳鳴りです。

考えられる原因

  • 突発性難聴:数時間〜数日で急に片耳の聴力が低下し、耳鳴りやめまいを伴います。発症後48時間以内の治療が予後を左右するため、早急な受診が必要です。
  • メニエール病:激しい回転性めまい、耳の詰まり感、吐き気を伴う発作を繰り返す病気。20〜50代女性に多い。
  • 聴神経腫瘍:聴神経にできる良性腫瘍で、片耳の耳鳴りや難聴、ふらつきが徐々に進行します。
  • 老人性難聴(加齢性難聴):両耳に耳鳴りを伴い、会話が聞き取りにくくなります。補聴器による早期介入で進行を遅らせることが可能です。
  • 音響外傷・薬剤性難聴:大音量や特定薬剤(例:アスピリン、抗がん剤)による一時的または永久的な聴力障害。

低音・片耳・両耳の耳鳴り

低音の耳鳴り(「ザー」「ゴー」など)

低い音が響くタイプの耳鳴りです。音がこもったり、自分の声が響く感じがすることもあります。

考えられる原因

  • 急性中耳炎、滲出性中耳炎などの耳の炎症
  • 耳垢栓塞(耳あかの詰まり)
  • 耳硬化症や耳管狭窄症(耳と鼻をつなぐ管が閉じる)

片耳だけに起こる耳鳴り

  • 突発性難聴
  • メニエール病
  • 聴神経腫瘍
  • 音響外傷(イヤホン・ライブ・花火大会など片耳に強い音を受けた場合)

両耳に起こる耳鳴り

  • 老人性難聴
  • 騒音性難聴(工事現場・工場勤務など)
  • 薬剤性難聴
  • 高血圧や腎疾患など全身性疾患

耳鳴りの治し方

耳鳴りは、残念ながら「これをすれば完全に治る」という決定的な方法はまだありません。

そのため、治療のゴールは耳鳴りを完全に消すことよりも「気にならない状態に近づけること」に置かれます。

補聴器を使った治療

難聴を伴う耳鳴りでは、補聴器を装用すると症状がやわらぐ方が多いです。

聞こえにくい音が入ることで脳の過剰な反応が落ち着き、耳鳴りが目立たなくなると考えられています。

装用を始めてすぐに楽になる方もいれば、数か月かけて少しずつ慣れていく方もいます。ポイントは毎日できるだけ長時間使うこと。断続的に使うよりも、生活音を絶えず耳に届ける方が効果が出やすいとされています。

音を使った治療(音響療法・TRT)

静かな環境では耳鳴りが強く感じられることがあります。

そんなときは、環境音やノイズを流して耳鳴りを目立たなくする「音響療法」が有効です。

代表的な方法が「TRT(耳鳴り再訓練療法)」で、音を流しながら耳鳴りへの意識を少しずつ減らしていくものです。

医師やスタッフによるカウンセリングと併せて行い、「耳鳴りは危険なものではない」と脳に覚え込ませるイメージです。

薬によるサポート

耳鳴りそのものを消す薬はありませんが、血流を良くする薬やビタミン剤、安定剤などが使われることがあります。

特に不眠や強いストレスがあると耳鳴りは悪化しやすいため、睡眠の質を改善するお薬や漢方薬を使うだけでも症状が和らぐことがあります。

薬はあくまで補助的な役割と考え、必要に応じて使い分けることが大切です。

心理的アプローチ

耳鳴りでつらいのは、音そのものより「この先ずっと続くのでは」という不安だったりします。

そのため、カウンセリングや認知行動療法を通じて耳鳴りとの付き合い方を学ぶことも大切です。

「耳鳴りはあるけれど普通に生活できている」という感覚が持てると、苦痛は大きく減ります。

耳鳴りに関するよくある質問

耳鳴りはどのくらい続いたら病院に行けばいい?

一時的な耳鳴りは疲れや寝不足でも起こりますが、数日〜1週間以上続く場合や、片耳だけに急に起こった場合、めまいや聞こえにくさを伴う場合は早めに耳鼻咽喉科へ受診しましょう。

特に突発性難聴は発症から48時間以内の治療が予後を左右するため、早めの受診がとても大切です。

耳鳴りはほっといても大丈夫ですか?

短時間でおさまる耳鳴りなら問題ないことも多いですが、慢性的に続く耳鳴りは体からのサインかもしれません。

加齢性難聴、メニエール病、高血圧など、背景に病気が隠れていることもあるため、「慣れたから」と放置せず、一度は検査を受けると安心です。

耳鳴りが「キーン」となる原因は何ですか?

高い音の耳鳴りは、

  • 睡眠不足・ストレス
  • 内耳の血流の一時的な変化
  • 突発性難聴やメニエール病の初期症状

などが関係することがあります。

特に片耳だけ急にキーンと鳴り、同時に聞こえが悪くなったら突発性難聴の可能性があるため要注意です。

自律神経からくる耳鳴りとは?

自律神経が乱れると、内耳の血流が不安定になり耳鳴りが出やすくなります。

仕事や生活のストレス、睡眠不足、体の冷えなどが引き金になることが多いです。

深呼吸やストレッチ、睡眠環境の改善など、生活習慣の見直しで軽くなる耳鳴りもあります。

耳鳴りは何の前兆ですか?

耳鳴りはときに体の不調や病気の前触れになることがあります。

  • 突発性難聴(急に片耳の聞こえが悪くなる)
  • メニエール病(めまい・吐き気を伴う)
  • 高血圧や動脈硬化(拍動に合わせてドクンドクンと鳴る)
  • 聴神経腫瘍(片耳だけ続く耳鳴り)

このような症状がある場合は、早期受診が安心です。