TOPへ

外耳炎

外耳炎とは?(外耳道炎)

外耳炎(外耳道炎)の説明図|外耳道に炎症が起こる様子

外耳炎(がいじえん)は、耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」に炎症が起こる病気です。耳かきや指で耳をいじりすぎたり、シャンプーや水泳で水が入ったりすることで外耳道の皮膚に小さな傷ができ、そこに細菌や真菌(カビ)が感染して発症します。

外耳炎は、耳のトラブルの中でも非常に多い病気で、特に耳掃除の習慣がある方、アレルギー体質の方、水泳やダイビングをする方に起こりやすいのが特徴です。水泳シーズンに増えるため、英語では「スイマーズイヤー」とも呼ばれます。

外耳炎の種類

外耳炎は大きく次の2つに分けられます。

急性外耳炎

耳に水が入る、耳かきで外耳道を傷つけるといったきっかけで、細菌感染による炎症が急に起こるタイプです。

慢性外耳炎

アトピー性皮膚炎や乾燥肌、アレルギーなどの背景があり、外耳道の皮膚トラブルを繰り返して慢性的に炎症が続くタイプです。

外耳炎の症状

外耳炎の症状イメージ|耳のかゆみや痛み、耳だれなど

外耳炎では、耳の穴から鼓膜までの外耳道に炎症が起こるため、次のような症状があらわれやすくなります。 症状は軽いかゆみから強い痛み、耳だれまで幅広く、放置すると悪化することもあります。

耳がかゆい

外耳道の皮膚が炎症を起こすと、まずかゆみが出ることが多いです。特に真菌(カビ)による外耳炎では、我慢できないほどの強いかゆみになることがあります。
また、アトピー性皮膚炎やアレルギー体質の方では、シャンプーの刺激や汗、温度差などでかゆみが強くなり、つい耳をかいてしまうことで炎症が悪化する悪循環に陥りやすいです。

耳が痛い

炎症が進行すると、耳の入り口や耳たぶ、外耳道に痛みを感じるようになります。耳たぶを引っ張ったり、耳の入口を押したときに痛みが強くなるのが外耳炎の特徴です。重症になると、何もしなくてもズキズキと痛みが続くこともあります。

耳だれ(耳漏)

外耳炎では耳から分泌液が出ることがあります。耳だれの性状によって原因が推測できることもあります。

耳だれの性状 主な原因・特徴
さらさらした透明な液体 耳を傷つけたときに出る滲出液
黄色や白色の膿状 細菌感染による外耳炎
血が混じる 外耳道に傷がある、強い炎症

耳だれに悪臭がある場合は感染が強いサインで、早めの受診が必要です。

耳だれについて

聞こえにくい・耳がつまった感じ

外耳道が炎症で腫れると、耳の穴が狭くなり音が伝わりにくくなります。そのため「耳が詰まった感じがする」「テレビの音を大きくしないと聞こえない」といった難聴の症状が出ることもあります。

口を開けると耳が痛い

外耳道の炎症が顎関節の近くにまで広がると、口を開けたり噛んだりしたときに痛みが増します。 これは、顎の関節や靱帯が耳のすぐ近くにあるため、炎症の刺激が伝わるためです。

耳の赤みや腫れ

外耳道の皮膚が赤く腫れ、耳の入口が狭くなります。炎症がひどいと耳全体が赤く熱を持つように感じることもあります。

外耳炎の原因は?

外耳炎は、耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」に傷がつき、そこに細菌や真菌(カビ)が感染することで起こります。 外耳道の皮膚は非常に薄くデリケートで、わずかな刺激でも傷ができやすいため、 日常生活のちょっとした習慣が発症のきっかけとなります。

主な原因菌

外耳炎の原因となる菌の多くは以下のような細菌です。

緑膿菌(りょくのうきん)

湿った環境で増えやすい菌で、水泳後や入浴後の耳に繁殖しやすいのが特徴です。

黄色ブドウ球菌

皮膚に常在する細菌で、耳かきなどで傷がつくと感染を起こしやすくなります。

真菌(カビ)による外耳道真菌症

長引く外耳炎や抗菌薬治療後に発症することがあり、かゆみが強く難治化しやすいタイプです。

外耳炎を引き起こす生活習慣

耳掃除のしすぎ

外耳道は自浄作用があるため、基本的に毎日の耳掃除は不要です。 耳かきや綿棒で外耳道を頻繁にこすると皮膚に小さな傷がつき、 そこから細菌が侵入し炎症が起きます。特にお風呂上がりに毎回綿棒で耳を掃除する習慣は外耳炎の大きなリスク要因です。

イヤホンの長時間使用

イヤホンを長時間装着すると、外耳道内が高温多湿になり細菌が繁殖しやすい環境になります。 また、イヤホンの装着時に皮膚がこすれて傷がつくことで外耳炎を引き起こすこともあります。 長時間使用は避け、定期的にイヤホンを清掃することが予防につながります。

補聴器の使用

補聴器も外耳道を密閉するため湿気がこもりやすく、外耳炎の原因になることがあります。 補聴器は定期的に清掃し、耳鼻科で点検を受けることで発症リスクを減らせます。

外耳炎の治療

外耳炎の治療イメージ|耳鼻科での外耳道清掃の様子外耳炎は軽症であれば自然に治る場合もありますが、 「強い痛みがある」「血や膿が出る」「耳が聞こえにくい」といった症状がある場合は、 自然治癒が難しく、放置すると悪化することがあります。 耳鼻咽喉科では、外耳炎の原因や重症度に応じて次のような治療を行います。

外耳道の清掃と消毒

まず、耳鼻咽喉科では専用の顕微鏡で耳の中を観察し、耳垢や膿、分泌物を丁寧に取り除きます。
外耳道を清潔にすることで炎症が早く引き、薬の効果も高まります。 自宅で無理に耳掃除をすると傷が広がる可能性があるため、耳掃除は専門医に任せるのが安心です。

点耳薬や軟膏の使用

外耳炎の治療では、耳の穴に直接投与する点耳薬(抗菌薬やステロイド薬)がよく使われます。

  • 抗菌薬入り点耳薬:細菌感染を抑える
  • ステロイド点耳薬・軟膏:炎症やかゆみを和らげる

患部に直接作用するため、内服薬よりも速やかな効果が期待できます。

内服薬による治療

炎症が耳の周囲(耳たぶ・頬のあたり)に広がっている場合や、痛みが強い場合は内服薬が併用されます。

  • 抗生物質の内服:広範囲に細菌感染を抑える
  • 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬:かゆみやアレルギー症状を抑える

特に免疫力が低下している方や高齢者では、合併症を防ぐために積極的に内服治療が行われます。

外耳を清潔に保つ

治療の効果を高めるために、外耳道を清潔に保つことが大切です。ただし、毎日耳掃除をする必要はありません。

  • 耳の中は1〜4週間に一度程度の掃除で十分
  • 入浴時は耳たぶや外耳の入り口をタオルでやさしく拭く
  • 水泳やシャワーで水が入ったときはタオルで軽く水分を吸い取る

過剰に掃除をするとかえって皮膚を傷つけ、再発の原因になります。

外耳への刺激を避ける

治療中は以下の行為を控えることが重要です。

  • 耳かきや綿棒での耳掃除
  • 指で耳をかく
  • 長時間のイヤホン・補聴器使用(必要な場合はこまめに清掃)

耳への刺激を避けることで、炎症の回復が早まり、再発予防にもつながります。

外耳炎に関するよくある質問

外耳炎は治るまでどれくらいかかりますか?

軽い外耳炎であれば、数日〜1週間程度で自然に改善することもあります。しかし、膿が出ている、強い痛みがある場合は、耳鼻咽喉科で清掃と薬物治療を行い、1〜2週間ほどで完治するのが一般的です。慢性化している場合や真菌性外耳炎では、数週間〜数か月の治療が必要になることもあります。

外耳炎の痛みのピークはいつですか?

急性外耳炎の痛みは、発症から1〜2日目に最も強くなることが多いです。炎症が広がると夜眠れないほどの痛みを感じることもあります。耳鼻咽喉科で点耳薬や鎮痛薬を使うと、数日で痛みは和らぎます。強い痛みが続く場合は放置せず受診することが大切です。

外耳炎のとき寝る向きはどうしたらいいですか?

外耳炎がある側の耳を下にすると、圧迫されて痛みが強くなることがあります。痛みのある耳を上にして寝ると負担が減り、眠りやすくなります。また、耳だれが出ている場合は、タオルや清潔なガーゼを枕の上に敷くと汚れ防止になります。

大人でも外耳炎を繰り返すのはなぜ?

大人でも外耳炎を繰り返すことがあります。主な原因は以下の通りです。

  • 耳掃除のしすぎ(耳かき・綿棒で外耳道を傷つける)
  • イヤホンや補聴器を長時間使用し、耳の中が蒸れる
  • プールや入浴で耳に水が入る習慣がある
  • アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎などの皮膚トラブル

再発を防ぐためには、耳掃除の頻度を減らす、イヤホンを清潔に保つ、耳に水が入ったら乾かすといった日常ケアが大切です。

外耳炎になったらしてはいけないことは?

外耳炎を悪化させないためには次の行動を避けましょう。

  • 綿棒や耳かきで耳の奥を掃除する
  • 指や爪で耳をかく
  • 長時間イヤホンを使用する
  • 水泳や入浴で耳に水を入れる
  • 医師の指示なく薬の使用を中止する

耳を触らず、安静にして治療に専念することが回復を早めます。