顔・首まわりの疾患と症状
顔や首まわりの不調は、見た目の変化や違和感として気づくことが多く、「どの診療科に行けばいいのか分からない」と悩まれる方が少なくありません。耳鼻咽喉科では、耳・鼻・のど・首のリンパ節・神経の一部など、頭頸部全体を診る専門科として、症状の原因を詳しく調べることができます。
耳鼻科で診られる顔・首まわりの主な症状
耳鼻咽喉科では、以下のような「顔・首の異変」に幅広く対応しています。
- 顔の片側が動かない、口角が下がる
- 首やあごの下にしこり・腫れがある
- のどぼとけの下が腫れている
- 声がかすれている
- 飲み込みにくい
- 発熱を伴う首の痛みや張り
- 耳の奥が痛い・帯状疱疹が出た
原因が神経・甲状腺・リンパなど多岐にわたるため、まずは耳鼻咽喉科での診察をおすすめします。
顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)
顔面神経麻痺は、顔の表情をつくる筋肉を動かす「顔面神経」が障害され、片側の顔が動かしにくくなる状態を指します。片側のまぶたが閉じにくい、口角が下がる、食べ物や飲み物がこぼれるといった症状が現れます。
主な原因
- ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺):ウイルス感染による一過性の神経炎
- ハント症候群(帯状疱疹性顔面神経麻痺):耳の帯状疱疹ウイルスによるもの
- 中耳炎や外傷、脳疾患によるもの
耳鼻科での診察・治療
耳鼻咽喉科では、顔面神経の動きを評価するテストや聴力検査、必要に応じてMRIなどを行い、原因を特定します。治療はステロイド薬の投与が中心で、症状が重い場合には抗ウイルス薬やリハビリ療法(表情筋マッサージ・電気刺激)も推奨されます。
早期の治療開始が予後を左右するため、「朝起きたら片側の顔が動かない」と感じたら、すぐに耳鼻科を受診してください。
甲状腺の病気(機能亢進症・低下症)
首の前側、のどぼとけの下あたりにある「甲状腺」は、全身の代謝を調整するホルモンを分泌する重要な臓器です。この甲状腺の機能が過剰になったり低下したりすると、体調や首の見た目に変化が現れます。
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態で、代表的な疾患はバセドウ病です。
主な症状
- 動悸や息切れ、手の震え
- 発汗過多、体重減少
- 首の腫れ(甲状腺の腫大)
- 眼球突出、まぶたの腫れ
耳鼻科での対応
耳鼻咽喉科では、首の腫れやしこりを主訴に受診される方の初期診断を行い、甲状腺疾患が疑われる場合には血液検査やエコー検査を行います。
必要に応じて、内分泌内科や総合病院への紹介を行い、連携して治療を進めます。
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)
甲状腺ホルモンの分泌が不足する状態で、代表的な疾患は橋本病(慢性甲状腺炎)です。
主な症状
- 全身の倦怠感、体重増加
- むくみ、寒がり
- 声のかすれ、便秘
- 首の腫れ
耳鼻科での対応
耳鼻科では、声のかすれやのどの違和感から甲状腺の異常が見つかることもあります。
症状に応じてホルモン検査やエコー検査を行い、必要に応じて内科と連携して治療を行います。
首の腫れ・リンパ節腫脹(りんぱせつしゅちょう)
首のしこりや腫れは、感染症・炎症・腫瘍性疾患など、さまざまな原因で起こります。
耳鼻咽喉科では、扁桃炎や咽頭炎などから波及する一時的なリンパ節腫脹から、長期的に続くしこりまで幅広く診察します。
主な原因
- かぜや扁桃炎・副鼻腔炎などの感染性リンパ節炎
- 慢性的な炎症によるリンパ節腫大
- まれに腫瘍性疾患(甲状腺腫瘍、リンパ腫など)
診断と対応
首の視診・触診・超音波検査を行います。炎症性の腫れであれば抗生剤や抗炎症薬で改善しますが、長く続くしこりや固い腫れは早めの精密検査が必要です。悪性疾患の可能性がある場合は、高次医療機関へ紹介し、連携して対応します。