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耳から血がでる

耳から血がでる時は要注意?

耳から血が出る原因や注意点を説明する医師のイメージ写真 耳は外耳・中耳・内耳から成る非常に繊細な器官で、皮膚も薄く傷つきやすい構造をしています。 耳から出血があるときは、外耳道の小さな傷から鼓膜の損傷、さらには中耳や内耳のトラブルまで、さまざまな原因が考えられます。 そのため、まずは「どこから血が出ているのか」を見極めることが治療の第一歩になります。

耳から血が出る主な原因

耳からの出血には、外耳の小さな傷から鼓膜や中耳の病気まで、さまざまな原因があります。ここでは代表的なものを耳鼻咽喉科的に解説します。

耳かきや綿棒による外傷

耳からの出血で最も多いのが、耳掃除による外傷です。耳垢は本来、耳の自浄作用で自然に外に排出されるため、耳掃除は月1回程度で十分とされています。硬い耳かきや力の入れすぎは皮膚を傷つけ出血の原因となります。特に小さなお子さまは動いてしまうことが多く、耳鼻科での耳掃除がおすすめです。

外耳道炎

耳掃除や水泳のあとなどに起こりやすい炎症です。軽症であれば自然に治癒しますが、免疫力が落ちている方(糖尿病や免疫疾患がある方)では再発しやすく、抗菌薬や消炎薬による治療が必要になることもあります。

外耳炎について

外耳道湿疹

外耳道の皮膚が赤くなり、かゆみを伴います。かきむしることで出血や耳だれが出ることがあります。原因としてシャンプーや化粧品の刺激が関係していることもあり、原因となる物質の使用をやめることが大切です。治療にはステロイドや抗アレルギー薬が使われます。

鼓膜穿孔(外傷性)

耳かきで鼓膜を誤って突いたり、平手打ちなど強い外傷で鼓膜に穴があくことがあります。出血が多い場合は止血が必要です。鼓膜は自然に再生することが多いですが、閉じない場合は鼓膜形成術(手術)が行われます。

鼓膜炎

鼓膜に水ぶくれ(水疱)ができて破れると少量の出血が見られます。自然に止血されることが多いですが、炎症のコントロールが必要です。耳の聞こえにくさや痛みを伴うことがあります。

中耳炎

子どもに多いですが、大人でも発症します。膿が鼓膜を破って耳だれとともに血液が混ざることがあります。慢性化すると骨を壊す真珠腫性中耳炎に進行することもあり、早めの耳鼻科受診が推奨されます。

中耳炎について

耳から出血した際の受診の目安

耳からの出血と受診の目安を説明する医師のイメージ写真 耳からの出血は、耳かきや綿棒による小さな外傷で起こることも多く、軽症であれば自然に止まることもあります。 しかし、「放置してよい出血」か「すぐに受診すべき出血」かを見極めることが大切です。

受診が必要なケース

次のような症状がある場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。

  • 耳の痛みや発熱を伴っている
  • 耳だれ(膿)に血が混ざっている
  • 聴力の低下、耳の詰まり感を感じる
  • 出血が繰り返す、止まりにくい
  • 強い外傷や頭部打撲のあとに出血がある
  • めまいや吐き気、顔の動きに異常がある

これらの症状は、急性中耳炎や外耳炎だけでなく、鼓膜穿孔、真珠腫性中耳炎、さらには頭部外傷による脳脊髄液の漏れなど、重篤な病気が隠れている可能性もあります。

受診科の選び方

まずは耳鼻咽喉科を受診するのが基本です。小児の場合はかかりつけの小児科に相談するのも良いでしょう。頭部を強く打ったあとや大量出血があるときは、夜間や休日でも救急外来や脳神経外科の受診が推奨されます。

耳から血が出るときの対処法

耳から出血したときの対処法を説明する医師のイメージ写真 耳から出血があると、不安に感じる方も多いと思います。 耳の中は皮膚が薄く、少しの刺激でも出血することがありますが、原因によっては治療が必要な場合もあります。 当院では、まず止血と清掃を行い、必要に応じて感染予防の処置や薬の投与を行います。 また、より高度な検査や手術が必要な場合は、信頼できる専門医療機関をご紹介いたしますのでご安心ください。

耳かきのしすぎ・触りすぎによる出血

耳の中は非常にデリケートで、耳かきや綿棒を奥まで入れると皮膚が傷つき、出血することがあります。このような場合は、まず耳を触らず、出血部分を清潔に保つことが大切です。

当院では、耳内の清掃・消毒を行い、必要に応じて以下の治療を行います。

  • 抗生剤を含む軟膏や点耳薬の塗布
  • 炎症を抑える内服薬の処方(化膿止めなど)

多くは数日〜1週間程度で自然に治癒しますが、痛みや耳だれがある場合は感染のサインですので、早めの受診をおすすめします。

スキューバダイビング・気圧変化による出血

ダイビングや飛行機などで急激な気圧変化が起こると、鼓膜が内側から破れて出血(鼓膜穿孔)することがあります。鼓膜は再生能力が高く、小さな穴であれば自然に塞がりますが、放置すると感染を起こすこともあります。以下のような治療を行います。

  • 耳内の洗浄と乾燥管理
  • 抗生剤や点耳薬で感染予防
  • 穴が大きい場合は「ベスキチン膜」で鼓膜を保護し、再生を促す処置

自然治癒が難しい場合には、鼓膜形成術や鼓室形成術が検討されます。高度な手術が必要になる場合は、連携医療機関をご紹介いたします。

真珠腫性中耳炎による出血

真珠腫性中耳炎は、鼓膜の奥に皮膚のかたまり(真珠腫)ができる病気で、進行すると周囲の骨や耳小骨を破壊し、耳だれや出血を伴うことがあります。

軽症の場合

  • 耳垢や老廃物の除去
  • 耳内洗浄・点耳薬による炎症のコントロール

進行している場合

真珠腫の除去や鼓膜・耳小骨の再建手術が必要となることがあります。当院では、耳の状態を正確に評価したうえで、手術が必要な場合は連携医療機関をご紹介し、術前・術後のフォローも継続して行います。

真珠腫性中耳炎について